2024年05月29日

武道と競技と格闘技と②

続いては競技についてです。

スポーツと競技とでも厳密には違うのですが、ここでは自分の身を護る術(すべ)とかは関係なく、身体能力を高める事に楽しみを感じたり、純粋にその競技を楽しんだり、お互いに身につけた能力や技を競い合ったりという面の事です。

空手では、大会や試合、演武会や発表会などがそれに当たるのではないでしょうか。形は本来、空手の技術を総合的、体系的かつ効率的に学べる為の手段であると思いますが、形競技では、その一連の動きを華麗に、優雅に、力強く、ダイナミックに、あたかも目の前に相手がいるかの如く気迫を持って演じる事によって、形の素晴らしさを表現し、観る者に感動を与えたり、その優劣を競い合ったりします。

また組手競技では、競技者の安全を第一に競技規定が設定され、その上で空手本来の突き、蹴り、打ち技や足払い等を効果的に利用した倒し技や投げ技を駆使し、互いの技術を正々堂々とぶつけ合い、勝利を目指します。そのスピード感溢れる激しい展開には思わず息を呑み、瞬きする事も忘れてしまうくらいです。

ルールに基づき、相手に勝つ事を主眼におくので基本的には先手必勝。作戦はいろいろとありますが、自分から積極的に攻め、ポイントを取っていく必要があります。護身を主眼に置くと、「空手に先手なし」「勝負せず、戦わないのが吉」となってしまうのですが、競技の面から空手をとらえるとこういう展開になるのです。形も同様で、試合でより高得点を狙うなら、姿勢や動きにそれ用の注意が必要になってきます。

では、単に護身用の空手を学ぶのであれば、競技向けの空手の動きは必要ないのでしょうか?私はまったくそうは思いません。競技向けの動きを習得していく中で、反射神経(反応速度)や動体視力が鍛えられ、突きや蹴りにもよりスピードや力強さが備わることでしょう。また、形でも体軸や四肢の末端に意識を集中させる事で、より正確な形の動きを身につけられ、それを分解(護身技)に用いた際にもブレない身体を手に入れる事が出来るでしょう。そう思うと競技向けの稽古も必須でありますよね。

⇒③へつづく

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